シニア専門スタイリストのイベントレポート/ミライプロジェクト様・Beauty & Care NIGHT OUT
個人向けファッションスタイリスト(パーソナルスタイリスト)の野本しょうこです。
プロのスタイリスト目線×子供目線から、親世代にあたる大人が素敵に見える服選びやおしゃれの情報を発信しています。
自己紹介はこちらから⇒ はじめまして - これからファッション~Korekara Fashion~
大型台風の接近で雨降りの土日でしたが、皆さんはいかがお過ごしになりましたか。
私は昨夜とても刺激を受けるイベントに参加してきました。
株式会社ミライプロジェクトさま主催 Beauty & Care NIGHT OUT vol.2
http://www.mirapro.net/newscolumn/914/
”「介護」×「美容」のチカラで、新たなミライをツクル。”
をキーワードに活動する同社。
介護業界での美容導入の現状とその可能性について、美容師/メイクセラピスト/エステティシャン/特養施設長、理事/納棺士/厚生労働省の官僚の方まで(!)、様々なスペシャリストをお招きして、パネルディスカッションが実施されました。
介護業界で「美容」と聞くと、介護施設やご自宅などにお伺いする訪問美容/理容を思い浮かべる方が多いと思います。もちろん髪をきれいに整えるだけが美容ではありませんが「ファッション」と比べると参入は一歩進んでいると言えます。
「おしゃれを通じてシニア世代の皆様を元気にしたい」と日々考える私も、何か参考になる話を聞くことができるのではと思い、今回参加させていただきました。
会場の様子を少しご紹介。
<パネルディスカッション>
<モデルさんのヘアカットの実演ーbefore>
<カット中・・・>
<after>
カットの時間わずか15分。少しカットしただけなのに、お若く明るい印象に見えます。
キレイになったモデルさんに、ご本人も会場の参加者も思わずニッコリ笑顔(私もモデルさんの笑顔を見て心が温かくなりました)。
またパネルディスカッションで、印象的だった話をいくつかご紹介。
- 介護における美容の位置づけは優先順位が現状としては低いが、生活の1チャンネルであることは確かで、介護現場でも求められている。
- 施設側も全員に導入するのではなく、10人いたら1人だけやってもらい横展開をして広げていく姿勢が大事ではないか。
- 介護される方は普段通り生きたい、当たり前のことを当たり前にしたい。重度の患者様も人として扱われたい。美を諦めさせないような働きかけが必要。
- 予算的に厳しいと言っていたら何もできない。美容を施すことで元気になれば、別の支出(病院に連れていくなど)が減る。そのような発想が持てるかどうかではないか。
そして、ファッションについても話題が。
- 出かける機会が減る分、高齢者にとっては出かけるという行為だけでとても刺激になる。普段パジャマ姿で施設で過ごしている人も、出かけるとなると身なりを整えなくてはいけない。そのような行動が刺激となり、「また頑張って外に出よう」という気持ちが沸き、リハビリのモチベーションにもつながるのでは。
「現場の方もシニアの方が元気で健康に生きるため、おしゃれという手段を求めている」
それを知ることができただけでも、私はこのイベントに参加して本当に良かった、心からそう思いました。
ファッション分野の介護現場参入はまだまだこれからですが、
「シニア世代の方だからこそ、おしゃれをするのが大切」
パーソナルスタイリストの仕事を通じて伝えていきたい。
そう改めて決意した素敵な一夜でした。