私が「50~100余歳専門のファッションスタイリスト」になったワケ(私の想い編)
個人向けファッションスタイリスト(パーソナルスタイリスト)の野本しょうこです。
プロのスタイリスト目線×子供目線から、親世代にあたる大人が素敵に見える服選びやおしゃれの情報を発信しています。
自己紹介はこちらから⇒ はじめまして - これからファッション~Korekara Fashion~
”私が「50~100余歳専門のファッションスタイリスト」になったワケ” と題し、この仕事を始めた経緯を、2回に分けてお届けしております。
本日は後編にあたる<私の想い編>。
どのような想いから、私が「50~100余歳専門のスタイリスト」として活動するようになったのか
その原点にあたる自分の想いを中心にお話したいと思います。
▼前編はこちらからどうぞ▼
街なかの高齢者を見て思ったこと
スーパーで働いていたころ、母親から服の相談を受けるようになった私は、
「他の人たちはどういう服を着ているんだろう?」
「また相談された時や、自分の仕事の役にも立ちそうだから、街なかに行ってチェックしてみよう!」
そう思い立って、母と同世代や年配の方たちの服を街なかで見てみることにしました。
早速街なかで観察を始めると、すぐに気になったことが。
高齢者の服装が とにかく暗い、とにかく派手の、どちらか両極端。
街なかを見渡すと 、「くすんだ色」もしくは「派手で目立つ柄やビビットな色」を着ている人ばかり。
服のサイズも合っていなかったり、服の合わせ方もチグハグ。
また姿勢の問題もあるでしょうが、みんな丸くなった背中で下を向いて歩いていて、なんだか元気がなさそう・・・。
私にはこんな風に見えたのです。
前編の話で触れたように、母親はカジュアル好きで、20代の若者向けのお店でも服を買うような人でした。
そんな母が年相応の服を「着たくない」と言うのは、服のデザイン以外の理由もあるのかもしれない・・
街なかの光景を見ながら、私はそう思いました。
そして 自分自身に考えをめぐらせて、
「自分も将来こういう服を着なくてはいけない日が来るのか・・・」
「これからは、目の前にいるような元気のない高齢者が増えていくのかな・・・」
と何だか今度は自分が暗い気分になってしまい。。。
母親の悩みを解決しようと起こした行動で、自分の将来までも憂うようになってしまったのでした。
「60代以上のおしゃれマダムの写真集」が教えてくれたこと
そんなことを考えてしばらく経ったある日、私がスタイリストの活動を始める決意を固めた、まさに【運命の本】と呼ぶべき本と出合います。
それが・・・こちらの「60代以上の女性」をテーマにしたファッションスナップ写真集
今から4~5年前くらいだったと思うのですが、テレビなどで取り上げられていたこともあるので、ご存知の方もいるのではないでしょうか?
私が初めてこの本に出合ったのは、メディアで取り上げられる少し前。
たまたま立ち寄った本屋で特設コーナーが組まれていて、発見した瞬間、直感で「この本に私の答えが書かれている!!」そう思って、すぐにいくつかの本を手にしていました。
早速自宅に戻って本を開くと、そこには・・・
- 姿勢よく
- 生き生きとした表情で
- 人生を楽しむ様子が写真からも伝わってくる
素敵な、チャーミングな、そしてカッコイイ60歳以上の女性たちの姿が。
写真の中の表情を1つ1つ見ていると、自分にも元気を分け与えてもらっているようで、見ている私も明るく楽しい気持ちに。
そして本を読み終えた私は、こう思ったのです。
「いくつになっても、服を選ぶ自由やおしゃれを諦める必要はないんだ!」
年を取ったからといって、
いかにも高齢者らしい服装をする必要はない。
「いくつになっても人生は楽しめるんだ!!」 と。
そう考えていると、不思議と自分の将来に対する不安も晴れていくような気がしました。
"母の悩み" そして "本との出会い" で私が決意したこと
"専業主婦だった母の人生"、"服の悩み"を重ねて、
「また母が自分の人生を諦めてしまう」
そう思った私。
専業主婦の母に限らず、
どんな人だって、歳を重ねれば段々とできなくなることは増えていきます。
でも、"歳だから" と言って諦めることばかり増やしてほしくない。
本の中に登場していた人たちが輝いていたように。
母だって、街で私が見かけた高齢者だって「毎日を元気に、人生を楽しく過ごす」自由があるんです。
この想いを胸に、「50~100余歳専門のスタイリスト」として活動を始める決意をするのでした。