私が「50~100余歳専門のファッションスタイリスト」になったワケ(親の悩み編)
個人向けファッションスタイリスト(パーソナルスタイリスト)の野本しょうこです。
プロのスタイリスト目線×子供目線から、親世代にあたる大人が素敵に見える服選びやおしゃれの情報を発信しています。
自己紹介はこちらから⇒ はじめまして - これからファッション~Korekara Fashion~
突然ですが・・・私は30代後半、いわゆるアラフォーです。
そんな私が仕事現場や交流会などに行って自己紹介をすると、十中八九(いや、十中十かもしれない)
「なんで50代以上を対象としたスタイリストやってるの?」
と聞かれるんですよね。
それはそうですよね。
個人向けスタイリスト(=パーソナルスタイリスト)という職業は、同世代のお客さま向けにお仕事されてる方が多いんです。
・同世代だと普段どういうものを着ているのか想像しやすいですし、
・同世代だからこその感覚(例えば、とあるお店やブランドに対する世代が持つイメージとか)
を活かすことができますし。
では「なんで私が同世代ではなく、ひと回り以上離れた、自分にとって親にあたるようなお客さまに向けて仕事をしているのか?」
ますます不思議ですよね。
というわけで、今回は
娘世代の私が「50~100̟余歳専門のファッションスタイリスト」になったワケ
をテーマにお話していこうと思います。
こちらをご覧いただきまして、私のこの仕事に対する想いが少しでも伝われば嬉しいです。
前編のこちらの記事では、親への想いを中心にまとめていきます。
後編<私の想い編>はこちらからどうぞ!
1)スーパーの販売員になる
自己紹介のページでも触れてますが、私は某大手スーパーの衣料品売場で働いていました。
もともと服が好きで、服に関わる仕事ができればと思っていた私。
就職活動ではアパレル系企業や商社を中心に受けていましたが、なかなか選考が通りませんでした。
困ったな・・・と思っていた私の頭の中に、ふと幼い頃に訪れてたスーパーの思い出が。
母方のおじいちゃんおばあちゃんちの近所にあった、そのスーパー。
私が住んでいる場所にそのスーパーが無かったこともあり、幼い私は親に手を引かれ、そこに行くのをいつも楽しみにしていました。
ひとまず会社説明会だけ・・・と足を運ぶと、トントン拍子で選考が進み、ありがたいことに内定をいただくことができました。
就職したことを報告すると、おばあちゃんがとても喜んでくれて。
その後90歳を超え、次第に認知機能が衰えていきましたが
「しょうこは◯◯(←スーパーの名前)に行ったんだね~」
と私が遊びに行くたびに、いつも話していたのを思い出します。
2)専業主婦の母の悩み
入社後、希望していた衣料品部門に配属となった私。
婦人服売場で働いていた頃、60代に入った母親が「欲しい服が見つからない」「自分に合う服が見つからない」と、販売員の私にアドバイスを求めてきました。
専業主婦で自宅にいることが多く、家事で動くからとジーンズにボーダーTと、カジュアルな格好が多い母。
母親が当時見ていたお店は、カジュアル衣料の量販店がメイン。
20代くらいの女性向けのお店を見ることも。
確かにそういうお店に、母好みのデザインや色合いの服はあるのですが、
母:「お腹に合わせるとお尻がきつい」
「お尻に合わせるとウエストがゆるい」 とのこと。
私:「若い人向けにサイズを作ってるんだから合うはずがないよ」
と勤めているスーパーの服を提案してみると、
母:「私好みの服ではない」
「ウエストが高めで、いかにもおばさんパンツしか売ってないから嫌」
と今度は自分の着たい服がないというんです。
確かに当時私が働いていた売場には、
ブラウスやニットなど自宅で丸洗いが難しい服、
色は思いっきり暗いか鮮やかな派手な色づかいの服
が多く、母好みの服はありませんでした。
自分で納得のいく服を求めてお店を探していたのですが、見つけることができず、不満を持っていたようです。
専業主婦として、それまで家族を支えてきた母。
やりたかったことや楽しみにしていたこと。
家族のためを想い、諦めてきたことは数多くあると思います。
私は社会人になり、そして弟も20歳を過ぎ立派な大人。
これからは子供の世話から離れ、自分のために人生を楽しんでほしい。そう思っていました。
もしかすると、服の悩みは母にとってさほど重大な悩みではなかったのかもしれません。
でも私からは、
「また母が自分の人生を諦めてしまう」
そんな風に思えて、虚しさを感じてしまったのです。
3)パーソナルスタイリストという仕事に出会う
それから数年、販売員として働き続けていたのですが、ある時、体調を崩したことがありました。
これをきっかけに、販売員としてこれから長く勤めていくには、私には体力的に限界があるな・・と考えるようになりました。
でも服に関わる仕事を続けたいと情報収集をして発見したのが、この「パーソナルスタイリスト」という仕事。
パーソナルスタイリストは個人のお客様の悩みに合わせて、洋服やアイテムを提案する仕事です。
販売員としての経験を活かしながらも、店舗やブランドの垣根を越えて、より幅広く商品提案ができます。
「この職業なら、母親の悩みはもちろん、母と同じようにお店選びや服選びで困っている人の悩みを解決できるかもしれない・・・」
と私は思ったのです。
そう、きっかけの一つは、
「専業主婦として家族を支えてきた母への私なりの親孝行」 だったのです。
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いかがでしたでしょうか。
娘世代の私が「50~100̟余歳専門のファッションスタイリスト」になったワケ
を母親の悩みからお話させていただきました。
続きの後編もよかったらお読みくださいね。